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8月25日 高知

6時ごろ起床。流石に快眠とはゆかないが、身体の疲れはほとんどなく、どうせと思って何冊か漫画を読むことに。『レベルE』と『ソラニン』を読んだ。前者はゲラゲラ笑いながら読んでいたけれど、後者は本当に染み入った。

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)

 

先日観た『四畳半神話体系』は、大学生活を大いに励ましてくれるような感覚を僕にもたらしてくれたけれど、この作品はそうもいかない。

大学生の生活から社会人の生活へと移行するにつけ、好むと好まざるとにかかわらず、生活様式は書き換えられてゆく。観念的な動機はいつの間にか、現実的な審級によってその可能性を定められてしまう。青春と手を結ぶ理念に傾倒していた人びとは、高く掲げていたそれらごと精神を摩耗してしまう。子供/大人という境界線によって、変化を迫られる。しかし、多くの人びとはけっきょくのところ、青臭い感情や理念を後生大事に取っておいているのだ。取り返しのつかなさが、短い物語のなかで何度も、さまざまな形で反復される。僕にとって、あまりにも突き刺さる物語だった。

9時ごろに漫画喫茶を後にし、自転車で桂浜へ向かう。道中に高知競馬場などに立ち寄ったりもしたけれど開場前だったので入れず。しかし、無人にもかかわらずなんと禍々しい気配。金に対する熱気の立ち込める場所。

10時ごろ、海沿いのカフェ「マリーンロード」でモーニング。少しだけ曇った太平洋沖の漣を見ながら、ぼんやりと夏の終わりを噛み締めていた。急に映画を観たいと思った。

12時ごろ、坂本龍馬記念館を巡った。なにしろ歴史に疎いので、何が面白いのか理解できるのだろうかと入るまでは不安だったけれど、思いのほか楽しめた。硬貨から貨幣へシフトさせることを勘案していたこととかは、割とへぇーと感じた。中を探索しているうちに天気は良くなり、海は絶景だった。

坂本龍馬記念館を後にし、自由民権記念館へ。坂本龍馬よりは板垣退助のが関心があったし、それなりに分かるだろうと踏んで中に入ったが、あくまでも貴重な歴史資料を展示している場所であって、自由民権運動にまつわる情報を知ろうとしに来るような場所ではなかった。なので僕向きではなかった。

14時ごろひろめ市場へ。遅めの昼食に、「明神丸」の塩たたき丼、鯨の竜田揚げ、日本酒をいただいた。絶品。とんでもなくうまかった。場所も独特の雰囲気があって、病みつきになる。

食事を済ませ、予約していたゲストハウスに向かい、荷物を置く。この時点でまだ18時前。宿においてあった観光ガイドをパラパラとめくっていると、桂浜の北東に植物園があったことを知り、ガックリ。次に高知に来たときは絶対に行こうと思う。

夕飯を食べにひろめ市場に戻ろうとすると、商店街でよさこいを踊っていたのでしばし鑑賞。その後、ひろめ市場の「千松」で鯨丼をいただく。野菜炒めと鯨肉の乗った丼物だったのだけど、これまた美味かった。なにしろ酒が合う。隣の席に座っていたお爺さんと1時間ほど喋っていた。なんでも、いままでは役所などで働いていて、土佐文旦を最近作り始めたとか。周囲にそのような経歴の人もいなかったし、愛媛の祖父母がみかん農家なこともあり、意気投合。その多くがとりとめもない話だったけれど、現場における思考の話や、自然を相手取る話というのは、自分の学的関心ともリンクしていたし、なによりも旅のなかでそこに住む人びとと話すことができるのは本当に有り難い。

気分良く宿に戻り、翌日の支度をしていると、ほかの宿泊者たちもチェックインし始めており、今日の旅行の成果や自身の興味関心についてくだを巻き合った。程よい疲労感を抱きつつ、24時に就寝。